人間には右脳と左脳があり、それぞれの役割が違うことをご存知ですか?脳は、解明されていないことが多いため様々な説があるそうなのですが、一般的に、計算など理論的に考える場合は左脳が優位にはたらき、イメージなどの感覚的なものは右脳が優位にはたらくと言われています。
しかし、珠算(そろばん)式の暗算では、右脳を多く使われていると日本医科大学の品川教授が発表し、世界中の研究者を驚かせました。更に、そろばんは右脳の活性化に関与すると全国珠算教育連盟のホームページにも掲載されています。
でも、そもそも右脳を鍛える必要性ってあるの?と、思われたあなたのために少し詳しくご紹介していきたいと思います。
右脳を活性化することで得られる7つの効果
これらは、右脳が主に処理を担当している機能や能力です。
- 創造性と芸術性: 右脳は創造的な思考や芸術的な表現に関連しています。絵を描いたり、音楽を作ったり、物語を創作したりする際に右脳が活発に働きます。
- 視覚的・空間的処理: 右脳は視覚的情報や空間的な関係を処理する能力が優れています。これは地図を読む、物体の位置関係を理解する、パズルを解くといった活動に関与します。
- 感情処理と認識: 右脳は感情の処理や他者の感情を認識する能力に関与しています。表情や声のトーンから感情を読み取ることが得意です。
- 直感と全体的なパターン認識: 右脳は部分ではなく全体的なパターンを認識するのが得意です。複雑な状況を一目で捉える直感的な判断力を発揮します。
- 音楽の処理: 音楽のリズムやメロディ、ハーモニーの理解といった音楽的な要素の処理に右脳が関与しています。
- 非言語的コミュニケーション: 言葉ではなく、ジェスチャー、表情、体の動きといった非言語的なコミュニケーションを理解する能力が右脳に関連しています。
- エピソード記憶: 個人的な経験や出来事の記憶(エピソード記憶)に右脳が関与しています。特に感情的な出来事の記憶に強く関連しています。
これらの機能は右脳が左脳と異なる役割を担っており、互いに補完し合うことで、総合的な認知機能が発揮されます。右脳の働きを理解することで、学習や問題解決、創造的な活動など様々な分野でその特性を活かすことができます。
子育てで脳科学が注目されている!
脳科学者の茂木健一郎氏をご存知の方もいると思いますが、その方が「天才」と呼ばれる人たちには、共通点があるということを記事にしていました。
引用元:脳の8割が完成”5歳まで”にやるべきこと ドーパミン・サイクルを養う方法 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
今、子育において脳科学が注目を集めています。ちょっと掘り下げて、脳の仕組みを簡単に説明いたします。(実は、塾長の私は、医療系の国家資格をもち生理学などを学習しています。)
実は、生後間もない赤ちゃんの脳は400~500gと言われており、大人の4分の1くらいの重さがありません。しかし、脳細胞は、大人とほぼ同じだけ存在ます。
では、なぜ生まれたばかりの赤ちゃんが、話すことも歩くこともできないのか?
それは、脳が未熟で、脳内の情報伝達がほとんどされていないためできないのです。脳内には、情報処理をするための神経細胞(ニューロン)が140億~200億個ほどあるのですが、この神経細胞が複雑に結びついて情報伝達することで、脳は成長をしていきます。
引用元:「脳の発達」と「生活習慣」(京都大学名誉教授 大島清著)
何かを見たり、聞いたり、触ったりといった五感を通した刺激が、電気信号となってニューロンに送られ、ニューロンとニューロンの間に「シナプス」という接続点が生まれ、さまざまな情報が伝達されていくのです。
そのため、生まれたばかりの赤ちゃんは、刺激を受けていないためシナプスがほとんどありません。だから、ほぼ何もできないのです。
こういったことから「脳の発達=神経細胞(ニューロン)の繋がりを強化」することは、すなわち頭をよくするということなのです。
ちなみに「シナプス」ですが、海馬(作業記憶などの記憶形成に重要とされる脳の部位)では、右脳と左脳では大きさや形が異なるという研究結果も出ています。
記憶の原理として注目される“長期増強(LTP)”という現象は、シナプスのグルタミン酸受容体の量と種類に影響されるので、左脳より右脳で起こりやすいのかもしれません。
引用元:右脳と左脳の構造の違いを発見
現代時の8割は左脳を使い過ぎている?
実は、現代人の8割は左脳を使いすぎていると言われています。
実は、現代人の8割は左脳を使いすぎています。小学校、中学校と義務教育を受け、10代半ばで高校受験を経験します。
<中略>
このような「左脳化生活」を続けていくことによって、左脳化は「左脳グセ」として脳にしみついてしまうのです。
「左脳グセ」がしみついた脳は、左脳と右脳がとてもアンバランスな状態です。これを私は「脳のゆがみ」とよんでいます。
引用元:東洋経済|会話が弾まない原因は「脳の使い方」にある!
左脳優位になり右脳が使われなくなると、他人に共感する力が弱くなり会話にも支障が出てくると言われています。
そろばんが右脳トレーニングになる
そろばんは、日本だけでなく海外でも使われており、海外では、右脳トレーニングを目的としているといった記事も掲載されています。
日本では片手でそろばんの珠をはじくのが主流ですが、右脳トレーニングを目的としている海外では、両手を使うことで左右の脳をバランスよく刺激することや迅速に計算できることから「両手式そろばん」が主流となっています。
引用元:そろばんが「数字に強くなる」最適な手段のワケ
また、高齢者の認知症予防のために指先をつかうそろばんが効果的という話もあります。いずれにせよ、そろばんの学習は、これからの社会を生きていくために必要な能力が養われていくということがお分かりいただけるのではないかと思います。